今日のカープ、今度こそは野村の勝ち星！ヽ(^o^)丿　よかったねぇ。

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吉村昭「海の史劇」

日露戦争の日本海海戦の話です。664頁

とは言っても戦闘が始まるのはちょうど半分あたりから。前半はずっとロシアのバルチック艦隊が日本海に向かって航行する場面が長々と続きます。

今のサンクトペテルブルク近くの軍港を出発してバルト海を抜けドーバー海峡を抜け赤道を越えて喜望峰を越えマダガスカルで足止め食ってマラッカ海峡を越え、まさに大航海。

当時の船の燃料は石炭、あちこちで寄港して補給する必要があるのにもかかわらず、戦時中の難しさで思うように捗らなかったり、暑さで参ったり、まぁそれは大変な航海だった様がたっぷり描かれています。

それと並行して「旅順・203高地」の激戦。

本作では乃木希典はダメな人の扱いですね、完全に。児玉源太郎が乗り込んで指揮権を一時的に委譲させ、ようやく形勢を立て直して勝利に至った、という筋書き。

そんなダメ大将がいつの間にか神様に祀り上げられたという不思議さ。

日本海海戦はよく知られている通りあっという間に片が付くのですが、その後の様子も丹念に描かれています

アメリカ・ポーツマスでの条約締結会議の様子は実にスリリング。小村寿太郎というのは偉かったな。それに比べて「日比谷焼き討ち事件」を起こした日本の民衆や新聞のバカさ加減。この時さんざん大衆を扇動して誤った方向に導いたのに太平洋戦争でまた同じ罪を犯した新聞の大罪。

戦争なんて言うものは勝っても負けても結局いい事なんかないって事よ。